若い人でも「噛めない」人が多くなっています
噛むというのはとても重要な事で、しっかりとモノを噛むことができる人というのは、非常に健康的だといわれています。
高齢になっても健康でいつも元気でいる方の食事風景を見てみると、何でもよく食べ、またしっかり噛んで食事をしているという事がわかります。
私達の身体にとって、噛むという事は食事をしっかりと内臓に送り込むことにつながり、イコール、「生きる」ために重要な事なのです。
高齢になってもメニューに困ることなく、どんな食材でもきちんと噛んで食事ができるという事は、毎日元気に楽しく暮らせるという事も意味しています。
何気なく食べ物を歯で噛み、物を食べ暮らしていますが、噛むという行為ができるという事は、非常に幸せな事であり、健康的な生活に重要な事です。
噛むことで体が出来ていく
人は毎日食物を噛み、それを飲み込んで栄養として体内に取り組み生きています。
日本人の場合、1回の食事につき600回ほど噛むといわれてますが、実は戦前の食事から比較すると噛む回数が減っています。
戦前は1回の食事で1400回、弥生時代にまでさかのぼると4000回、現代の食事と比較すると、食事のたびにかなりの回数噛んでいたという事がわかります。
日本人の食文化は狩猟時代から農耕時代、さらに現代に向かう過程で大きく変わってきています。固くよく噛まないと呑み込めないような食事から、現代のように、物によっては飲むように食べることができる食事へ、変わってきています。
しかしこうした食の甘やかしによって現代人に出てきている健康被害が、歯周病、肥満、顎関節症など、顎、口をよく利用しないことでの弊害です。
ごくごく飲むように食事ができるほど、食べやすい食材、メニューが多くなっている現代で、噛む回数が少なくなっているということは、脳の満腹中枢が噛むことによって刺激され、腹八分目でもういらないよと信号を出してくれにくくなるという事です。
信号を出す前にどんどん食べているので満腹中枢がいっぱいだよ!という以前に、胃袋は食料で満たされているという状態です。
これでは肥満になります。
また噛むことによって口の中から唾液がしっかり出るようになっています。
唾液はただ食べ物ののどのとおりをよくする、噛みやすくするということではなく、口の中の細菌類を洗浄してくれるという働きも持っていますので、噛むことが少なくなり唾液の量が減る事で歯周病になるというリスクまで背負ってしまうのです。
顎関節症などになれば噛みたいのに噛めない生活になる
顎関節症などになってしまえば、痛み、また口を大きく開けられないなどから物を噛むことが出来なくなります。
おいしいものにかぶりつきたいと思っても、痛みや口が大きく開けられないなどの症状で食事も満足にできなくなります。
また両方の歯を利用して噛まないことで背骨がゆがむなどの健康被害も出ていますので、物をしっかり両方の歯で噛むという事を、毎回の食事の中で思い出し、実行するようにしてください。